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台風の勢力について・昔と今では大きく異なる台風情報(リバイバル投稿)

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先日台風2号の影響で活発化した梅雨前線がもたらした大雨は記憶に新しい。
と思ったら早くも3号が2号に近いコースをたどりそうな様相を呈している。
まだ6月になったばかりというのに2個連続で比較的秋の王道コースを通るので先が思いやられる感じだ。
しかしここ数年気象に関する予報は格段の進歩を遂げ、台風のコースはかなり正確に割り出せるようになったし、先日の大雨時も線状降水帯発生予報などきめ細かい予報を出して避難に関する指示も早めに出せるようになった。
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるしかないが、こういった予報の進化は間違いなく被害を最小限に食い止めるための大切なツールになっていることは間違いない。
ところで台風に関する表現で「強い」「非常に強い」「猛烈な」という物と、「大型の」「超大型の」という表現があることをご存じの方は多いと思う。
しかしこれをごっちゃにしてる人は今も結構いるのではないだろうか。
前者は台風の強さを、後者は台風の大きさを表しており、この両方を合わせて初めて台風の勢力を知ることが出来る。
昔は強さの単位には「並み」「弱い」という言葉があった。
大きさにも「中型」「小型」「ごく小さい」という表現がされていた。
ところが例えば小型の弱い台風○○号は~って表現になると油断してしまう恐れがあるので、今は強さは「強い」以上、大きさは「大型」以上しか表現しなくなったのだ。
その辺を知っておけば、各家庭での台風に対する備えも変わってくると思う。
以下は過去にこの台風の勢力に関して投稿した物を再度掲載させていただく。
今後の台風情報の見方の参考にしていただければ幸いだ。
当時は記述がですます調になっている^_^;

↓  ↓

この長い歴史の間で、台風の勢力に関する表現が少しずつ変わってきたのをご存知でしょうか。

今の予報では、だいたい以下のように台風の情報が流れます。

「台風〇号は現在どこそこの北東20キロの海上にあって、中心の気圧970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速50メートル、中心から半径80キロ以内は風速25メートルの暴風、15メートルの強風圏は半径550キロという大型の台風で、毎時15キロの速さで北に向かっています。」

って感じだと思いますが、これがちょっと昔なら、

「台風〇号は現在どこそこの北東20キロの海上にあって、中心の気圧970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、中心から半径80キロ以内は風速25メートル以上の暴風、半径550キロ以内は15メートルの強風が吹いており、並で大型の勢力のまま毎時15キロの速さで北に向かっています。」

わかりやすいように赤字で記しましたが、昔は勢力に「並」という牛丼のようなランクがありました。

もっと言えば、並の下に「弱い」ってランクもありましたが、2000年以降は「弱い」「並」という表現がされなくなりました。

逆に最近は瞬間最大風速何メートルという情報が付け加えられました。

昔も結果としてどこそこで瞬間最大風速何メートルを記録した・・・という情報は流れましたが、予報としては触れられていませんでした。

これは後述しますが、台風の強さが以前は気圧で語られていたのを現在は風でランクを表すようになったからだと思います。

より風の強さを理解してもらうために最大瞬間風速予測も発表するようになったと推測します。

次に台風の大きさについても触れておきます。

台風は中心付近の最大風速と風速15メートル以上の強風圏二つで勢力を表します。

強風圏は台風の中心から半径何キロ以内で15メートル以上の風が吹いているかを示しますが、これが500キロ以上800キロ未満だと「大型」

800キロ以上だと「超大型」と呼ばれます。

これも昔は500キロ未満でも範囲別に「中型」「小型」「ごく小さい」と呼ばれていました。

これが現在、強さは「強い」以上、大きさは「大型」以上しか表現されません。

やめた理由は弱いとか並とかで表現すると、油断してしまうからということですが、

昔からの台風情報を聞き馴染んで育ってきた私はまだしっくりきません。

注意深く台風関連のニュースを聞くと、4種類の表現がされていることが分かります。

①台風〇号

②強い台風〇号

③大型の台風〇号

④強くて大型の台風〇号

①は最大風速が旧基準の「並」以下で大きさも旧基準の「中型」以下。

②は最大風速は「強い」が、大きさが旧基準の「中型」以下。

③は最大風速は旧基準の「並」以下だが、大きさが「大型」

④は最大風速が「強い」で、大きさも「大型」

昔は最大風速も大きさもランクが表現されていたので、全て④の読み方でした。

例えば、今は「台風」としか呼ばれない物も昔は「並で中型の台風」と表現されます。

今なら最大風速が50メートルでも規模の小さい台風は「非常に強い台風」だけです。

この風と大きさの関係をごっちゃにしている方はけっこう多いと思います。

台風に関する備えに油断は禁物と思う人も増えてきたと思うので、個人的にはもう少し台風の勢力をわかりやすく表現出来ないのかなあって思ってしまいます。

ヘクトパスカルとミリバール

 次は気圧の表記について今と昔の違いです。

いまは気圧をヘクトパスカル(hPa)で表します。

昔はミリバール(mb)という単位でしたが平成4年ヘクトパスカルに変わりました。

ここでは何故変更したかには触れませんが、実は台風の強さは、現在でこそ最大風速でランク付けしますが、昔は中心気圧(mb)が基準でした。

気圧基準で長く過ごしてきた私は、今も最大風速より中心気圧の低さで台風の強さを判断してしまう癖が残っています。

ここはわかりやすいように、昔の、気圧による台風の強さの基準を掲げてみます。

  • 990ミリバール以上     弱い
  • 960~989ミリバール   並
  • 930~959ミリバール   強い
  • 900~929ミリバール   非常に強い
  • 900ミリバール未満     猛烈

となります。

最大風速が台風の強さの指針になって長いですが、年配の気象予報士ほど、昔の気圧の低さイコール台風の強さ・・・というのが刷り込まれているからか、台風情報を伝えるときに気圧の低さについても情報の中に取り入れて話しておられる気がします。

台風の影響、昔と今

昔、昭和30年前後から40年代前半にかけて台風により甚大な被害を受けたケースが多発していました。

当時はまだ今と違って自然災害に対する対策もあまり成されていなかったこともあるでしょうが、情報が圧倒的に今より不足していたのも被害が大きくなった原因でしょう。

私が小中学生のころ、台風シーズンが近づくとNHKでは今のNHKスペシャルのような番組で、盛んに台風に対する備えを、過去のフィルムを流しながら啓発させる番組を放送していました。

そういった個々の備えと、安全対策の進捗によってか、昭和50年代からしばらくは台風が来ても被害らしい被害は出ず、いつの間にか台風恐れるに足らずという風潮が出来上がってしまったように思います。

いつしか台風への備えの番組も放送されなくなりました。

ところが、平成になってからでしょうか。

再び大きな被害をもたらす台風が現れてきたのです。

りんご台風あたりからですかね。

最近は台風の勢力が以前に比べ、より強く発達する頻度が高くなっていると思います。

雨量も半端ではありません。

昨日も首都圏を猛烈な雨が襲いました。

これも台風19号、20号から変わった温帯低気圧の影響と言われています。

温暖化の影響って絶対にありますね。

今後はスーパー台風へ成長するケースも多くなると思われます。

台風への備えの番組が再び頻繁に見られるようになるでしょう。

今年もまだまだこれからが本当の台風シーズン。

気象情報は昔とは雲泥の差で飛躍的に進歩してきました。

気象衛星の活躍。

最新技術での予測。

台風の進路予想も昔の扇方表示から予報円に代わり正確性も増しています。

日頃の備えを十分にしながら、常に最新の気象情報をしっかりと聞いておく。

これが、今私たちが出来る最も簡単で一番大切なことではないでしょうか。