かねてから噂、いや、噂を超えたレベルで報道されていたモンスター井上尚弥とルイス・ネリの4団体タイトルマッチがついに正式に発表された。
しかもネリ自身も来日して井上と同席しての発表とは驚いた。
しかもしかもこの場所にあの因縁の山中慎介氏が来ていた。
しかもしかもしかもネリがあのネリが山中氏に謝罪し山中氏も謝罪を受入れ握手をしたのだ。
日本中のほとんどのボクシングファンは二度に渡る山中氏とのタイトルマッチにおけるネリの蛮行に対して怒り心頭に発していただろう。
今回この対戦が正式に決まれば、井上尚弥がネリを倒すことで留飲を下げたいと思っていたファンも多かったに違いない。
私ももちろんそう思っていたひとりだ。
しかし、山中氏の大人の対応と、神妙だったネリの顔が握手した時に安堵の表情に変わったのを見て私はあの出来事を忘れることにした。
握手をした時点でこの問題は山中氏とネリ、二人の心の中だけの物になったと思ったからだ。
明日からは純粋に井上尚弥とルイス・ネリのタイトルマッチそのものを楽しむようにしたい。
ネリは強い。
それは山中氏が12度目の防衛に成功した時、タイ記録となる13度目の防衛戦の相手を予想した記事で最も怖いのはルイス・ネリと書いたことからもわかる。
それでも井上に死角はない。
確かにネリは強いが、トータル的に井上を上回るとはどうしても考えられない。
唯一怖いのはドネア戦で思わぬ一発をもらった時のようなことが起こった場合。
ネリは怒涛の攻撃を仕掛けてくるだろう
チャンスと見た時の爆発力はドネアを上回る。
それだけが考えられる井上にとってのネガティブな展開だ。
逆に言えばそのシチュエーションさえなければ井上の勝利は動かないということだ。
今日は井上とネリの正式発表よりも、山中氏とネリの握手が目立つことになったが、5月6日は井上が誰もが認める主役になることは間違いないだろう。