仕事以外全部趣味
1968年公開「2001年宇宙の旅」と、続編となる1984年公開「2010年」。
スタンリー・キューブリックがメガホンを取った2001年は絶大なる評価を得た名作の誉高い作品だ。
私が初めて2001年を見たのはリバイバル上映の時。
大阪なんばの南街劇場に、ただ券があったので見にいった。
しかし延々と続くチンパンジー(ですよね?)のシーンに、こらえ性のない私は映画館を出てしまった。
それ以来いくら2001年が評価されていても全く見る気にはならなかった。
しかし、世はサブスク時代。
いつでもどこでも気軽に多くの映画を観ることが出来る世になった。
そこで私も、ついに2001年を見ることにしたのだ。
冒頭のチンパンジーのシーンを見た時、余りのなつかしさに感動を覚えた。
そこで早くも謎の物体モノリスが登場していたのを知った。
当時もせめてここまで見ていればなあ・・・と思った。
そして映像は美しい宇宙空間に繋がる。
あらすじは多くの人が述べているし、観た人も多いので述べない。
今回は最後まで見たが、映像の見事さやクラシック使用の音楽は素晴らしいと思うが、映画全体としてはキューブリックの自己満足映画だと思った。
キューブリックは、観客がついてこなくても良いと思っていたに違いない。
例えていうと・・・。
急カーブを高速で突っ走るトラックの荷台に乗る多くの観客。
乗っている観客が遠心力で吹き飛ばされても、我関せず走り続けるトラック。
目的地に着いた時には、僅かの観客しか荷台に残っていない。
そんな感じであろうか。
私はもちろん吹っ飛ばされた方だ。
私の感性が鈍いと言われたら否定はしない。
あくまで私の感想なので、素晴らしいと評価する人をどうこう言う気は全くない。
そんな付いていけなかった人のために「2010年」は存在する。
監督はキューブリックではないが、キューブリックの許可は取れているようだ。
2001年であまりにも多く残された謎。
2010年はその謎をかなり解明して我々に提示してくれる。
特に2001年で故障し異常な行動を見せたHAL9000の謎が明らかになるのは、この映画の肝になる部分だ。
あまりに難解だった2001年に比べて、実にユーザーフレンドリーな映画と言える。
しかしだからと言って、安直に作られた映画ではない。
しっかりと作られており、スリルも満点。
2001年を見て納得できなかった人は見るべきだと思う。
逆に2001年を見て、素晴らしい!と思った人は見ない方が良いんだろうな。
2001年の世界に浸るが良い。
それにしても、今は既に2024年。
未来の映画は難しい。
そうそう、2010年に名女優、若かりし名優ヘレン・ミレンが出ていた。