影無茶のスポーツ24/7

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令和6年大相撲春場所 尊富士110年ぶり新入幕優勝の歴史的快挙 三賞も独占

大相撲春場所の15日間が終わった。

新入幕尊富士が史上最速、初土俵から10場所で幕内最高優勝の快挙で幕を閉じた。

今場所は尊富士に尽きる。

尊富士の強みはそのスピード。

立ち合い素早く相手の懐に入り、組もうが組むまいがそのまま押し切って勝つ。

勢いは止まらず大横綱大鵬の記録に並ぶ新入幕11連勝。

12日目に豊昇龍に土俵際逆転の小手投げを喰らい初黒星を喫するが、13日目若元春に勝って12勝1敗として優勝に王手をかけた。

これで世間は大騒ぎになったが本当のドラマはここからだった。

伯桜鵬、熱海富士、大の里とあと一歩で成せなかった新入幕優勝。

ついに尊富士が新入幕優勝か!と思われた14日目。

番付編成でSTOPザ尊富士に指名されたのは朝乃山。

かつて綱を目指し順風満帆だった朝乃山。

その勢いを止めたのは尊富士の兄弟子照ノ富士だった。

朝乃山にそんな思いがあったかどうかは知る由もないが壁として立ちはだかった。

それだけではない。

取組後足を引きずる尊富士。

後に頭が真っ白になったと語った尊富士だが、その時明らかに表情が曇った。

花道を車椅子で退場する姿を見た時、誰もが千秋楽は相撲を取れない。

そう思ったはずだ。

過去怪我に泣いた有望な力士をどれだけ見てきたことか。

これだけセンセーショナルに勝ち進んできた尊富士まで・・・。

角界は呪われてるのか思ってしまった。

しかし千秋楽。

尊富士は土俵上に姿を見せた。

横綱から、お前なら出来ると言われた・・・」

「これで後悔したら一生悔いが残る・・・」

前日まで貼っていた背中のテーピングはなかった。

相手はこれも若手の成長株豪ノ山。

立ち合い一気の攻めは出来なかったが気力で最後は押し倒した。

長く記憶に残るであろう尊富士の幕内初優勝。

優勝インタビュー「記録も大事だが皆さんの記憶にひとつでも残りたくて・・・」

十分記憶に残り続ける見事な土俵だった。

祈るのは怪我をおして出場したことで、将来に悪影響が残らないことだけ。

かつて貴乃花が、稀勢ノ里が、怪我をおして強行出場したことで引退を早めた。

そんなことが無いように、まずは痛めた足をしっかり治して欲しい。

角界の宝なんだから。

 

次に総論。

場所前プレビューで書いた私の注目点は以下の4点。

・新大関琴ノ若

照ノ富士10度目の優勝成るか

・綱取り再挑戦の霧島

・大の里、熱海富士に新入幕尊富士、世代交代が進むか

琴ノ若は10勝5敗。

大関で二桁はまずは合格点だったと思う。

大関の重圧か5日目までに2敗。

しかしそこから立て直して5連勝で10日目に勝越しを決めたが11日目に尊富士の勢いに呑まれてしまった。

対戦した3大関の内、霧島と貴景勝に敗れたのもいただけないが、これを糧に来場所以降は重量感あふれる相撲を見せてくれるだろう。

引き続き綱候補1番手の評価は変えない。

照ノ富士はまさかの3日連続金星献上。

先場所の強さが嘘のような出来だった。

当然のように途中休場。

先場所が燃え尽きる前の最後の炎でなければ良いのだが・・・。

霧島はまさかまさかの負け越し。

初日に負けて全てのリズムが狂ってしまったか。

13日目で3勝10敗という信じられない成績。

どうなってしまうのかと思ったが千秋楽の琴ノ若戦で来場所につなげる勝ち方。

この相撲を忘れずに来場所につなげて欲しい。

そして最後が世代交代が進むのか。

これについては今場所一気にその芽吹きを感じることが出来た。

尊富士の優勝、大の里も幕内上位で11番の勝利。

豪ノ山も二桁かち、熱海富士も難しい位置で勝越し。

世代交代の旗手琴ノ若も新大関で二桁勝利。

この1年で3力士の新大関誕生。

いずれも上を目指せる大関だ。

照ノ富士にいよいよ引退の2文字が見えてきそうな今年。

風薫る夏場所は番付発表4月30日、初日5月12日。

どんなドラマが見られるのか。

大相撲が面白い。

 

 

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大相撲春場所 尊富士は柏戸だ 10日目大の里と対戦

大相撲春場所は9日目が終わって新入幕の尊富士が勝ちっぱなし。

新入幕力士の初日からの連勝記録を伸ばしている。

これを追う1敗にこれも新鋭大の里。

2敗に大関貴景勝、琴の若に平幕湘南乃海の3力士と言う状況。

先場所、力の違いを見せつけた横綱照ノ富士がまさかの3日連続金星献上で休場。

綱取りならなかった霧島も3勝6敗と黄泉の国から喝!が聞こえてきそうな成績。

2敗力士までの相撲内容が3敗以下の力士に比べて(当たり前だが)とても良いので、優勝は5力士に絞られたと言って良いだろう。

尊富士はとにかく立ち合いのスピードが速い。

このスピードが尊富士の魅力だろう。

もはやオールドファンしか知らないと思うが柏戸関を思い出した。

身体つきもキン肉マンのようで最近にいないタイプだ。

初土俵から9場所の成績65勝8敗の勝率8割9分は驚異的。

相撲界の藤井聡太だ。

その尊富士が今日10日目に大の里と対戦が組まれた。

大の里のスケールの大きさは誰もが認めるところで、将来の千秋楽結びで幾度も優勝を争うことになるかもしれぬ記念すべき初取組ということなのかもしれない。

この結果が優勝争いに大きな影響を及ぼすのでそういう意味からも見逃せない一番だ。

来場所から琴桜琴櫻?)の名を授かる琴ノ若も後半内容が良くなってきた。

前半は新大関の重圧があったのかもしれないが、早くもそれを脱したようだ。

今場所優勝なら来場所一気に綱取り場所となる。

8度目のカド番を戦う貴景勝

見る限り最近では一番相撲内容が良いように思う。

あからさまに引くこともなく慎重ではあるが前に出る意識が強い。

大関在位28場所で優勝4回準優勝8回の実績は他の4力士を圧倒しており、経験を活かして5度目の賜杯ということも十分あり得ると思う。

明日以降尊富士をどこまで役力士と番付を組ませるか。

最近は幕内下位でも優勝を争う力士は大関陣との対戦も組まれるので、尊富士対琴ノ若、尊富士対貴景勝、などが見られるかもしれない。

大の里も5枚目なので今後は上位陣との対戦ばかりとなる。

先場所は上位陣の壁に阻まれたところもあったが今場所は果して・・・。

大相撲は完全に新旧交代の波が押し寄せている。

今まで角界を背負ってきた力士が壁となってくい止めるのか。

それともニューウェーブがこのまま台頭して新しい時代を迎えるのか。

今年ついにその答えが出る。

 

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ボクシング 井上尚弥とルイス・ネリ5月6日東京ドーム世界戦正式発表 山中氏と歴史的和解

かねてから噂、いや、噂を超えたレベルで報道されていたモンスター井上尚弥とルイス・ネリの4団体タイトルマッチがついに正式に発表された。

しかもネリ自身も来日して井上と同席しての発表とは驚いた。

しかもしかもこの場所にあの因縁の山中慎介氏が来ていた。

しかもしかもしかもネリがあのネリが山中氏に謝罪し山中氏も謝罪を受入れ握手をしたのだ。

日本中のほとんどのボクシングファンは二度に渡る山中氏とのタイトルマッチにおけるネリの蛮行に対して怒り心頭に発していただろう。

今回この対戦が正式に決まれば、井上尚弥がネリを倒すことで留飲を下げたいと思っていたファンも多かったに違いない。

私ももちろんそう思っていたひとりだ。

しかし、山中氏の大人の対応と、神妙だったネリの顔が握手した時に安堵の表情に変わったのを見て私はあの出来事を忘れることにした。

握手をした時点でこの問題は山中氏とネリ、二人の心の中だけの物になったと思ったからだ。

明日からは純粋に井上尚弥とルイス・ネリのタイトルマッチそのものを楽しむようにしたい。

ネリは強い。

それは山中氏が12度目の防衛に成功した時、タイ記録となる13度目の防衛戦の相手を予想した記事で最も怖いのはルイス・ネリと書いたことからもわかる。

それでも井上に死角はない。

確かにネリは強いが、トータル的に井上を上回るとはどうしても考えられない。

唯一怖いのはドネア戦で思わぬ一発をもらった時のようなことが起こった場合。

ネリは怒涛の攻撃を仕掛けてくるだろう

チャンスと見た時の爆発力はドネアを上回る。

それだけが考えられる井上にとってのネガティブな展開だ。

逆に言えばそのシチュエーションさえなければ井上の勝利は動かないということだ。

今日は井上とネリの正式発表よりも、山中氏とネリの握手が目立つことになったが、5月6日は井上が誰もが認める主役になることは間違いないだろう。

 

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大相撲春場所プレビュー 復活した横綱照ノ富士に挑む新大関琴ノ若と先輩3大関

初場所が終ったと思ったらもう春場所

月日が経つのはほんとに早い。

場所前に北青鵬のいじめ、暴力行為が発覚し事実上の解雇。

親方の宮城野には2階級降格という不祥事。

角界に暗い影を落とした。

そんな中で始まる春場所

今日は春場所プレビューを投稿する。

今場所私が注目するのは以下の4点。

・新大関琴ノ若

照ノ富士10度目の優勝成るか

・綱取り再挑戦の霧島

・大の里、熱海富士に新入幕尊富士、世代交代が進むか

この4点だ。

初場所横綱照ノ富士が格の違いを見せつけて復活の優勝。

これほど他の力士と差があるのかと衝撃を受けた。

令和4年7月場所以降2場所連続で皆勤したことがないが、今場所は5年ぶり再開の住吉大社の土俵入りも勤め上げ、出場してくればやはり本命。

照ノ富士を追うのは番付的に大関だが、中でも注目は何と言っても新大関琴ノ若

春場所後に琴桜四股名を継承するとのことで当然目標は優勝。

余談だが最近解説を休場している北の富士氏の元気な姿を一刻も早く見たい。

北の富士琴桜は現役時代に幾度も対戦しており、晩年強くなった琴桜の強烈なのど輪に横綱北の富士が苦しんだことがよみがえる。

当時の話も聞きたいし北の富士氏にはまだまだ解説を続けて欲しい。

その琴ノ若

急激に力を付けており、その言動、取組内容を見ても心技体の充実がうかがえる。

照ノ富士には全敗だが、琴ノ若にはその壁を乗り越えるだけのポテンシャルがある。

先場所綱取りに失敗した霧島との綱取り争いは見物だ。

先場所新入幕で大物ぶりを見せてくれた大の里。

初日こそ緊張からか引く場面も見られたが、場所を通じて大物ぶりを発揮。

今場所は10枚番付が上がり上位陣との対戦が続く。

昨年名古屋場所の伯桜鵬、秋場所九州場所の熱海富士、そして初場所の大の里。

若手力士の台頭が著しく、今場所の尊富士も含めて角界の世代交代が急だ。

14場所続いている照ノ富士のひとり横綱

ネクス横綱候補も現れてきたが、関脇以下中堅力士はまだまだ上を目指すには絶対的な強さが足りない。

先ほど掲げた若手力士によって一気に世代交代が進むのか、大栄翔、若元春、朝乃山、阿炎、高安あたりが踏ん張れるのか。

大きな変動が予想される今年の大相撲。

春場所はひとつのターニングポイントになるかもしれない。

見逃せない春場所は3月10日初日を迎える。

 

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ボクシング ネクストモンスター中谷潤人 黄金のバンタムの系譜を継ぐ強さで3階級制覇

24日にプロボクシングトリプル世界戦が行われた。

アマゾンプライムでの中継となったが3試合とも日本選手が勝利。

田中恒成、井上拓真、そして中谷潤人、それぞれ実績もあり強い選手だが3人3様のドラマが背景にあり今回の勝利は更なる高みに3選手を連れていくものだった。

今日はその中で中谷潤人選手を取り上げる。

ボクシング界はモンスター井上尚弥が君臨。

日本ボクシング界は現在9人の世界チャンピオンがおり絶頂期と言って過言でない。

WBAスーパーフライ級チャンピオンの井岡は100年にひとりの選手と言われた。

井上尚弥が登場した時、私ははてなに移る前のスポナビでの最初の投稿で彼のプロ2戦目の試合を見て200年にひとりかもしれないと書いて投稿した。

 

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あれから11年、井上尚弥は世界中の強豪にリスペクトされる存在になった。

そんな井上を追いかける男がネクストモンスターと呼ばれる中谷潤人だ。

173cmとボクシング選手としては長身。

リーチも176cm。

中谷の試合を見ているとリーチの長さがめちゃくちゃ武器になっているようだ。

左から繰り出すパンチはまるで鞭のようにしなって相手にヒットする。

それと中谷程相手顔面にパンチがヒットする選手はあまりいないのではないか。

ラッシュ時、中谷のパンチは右も左も全て顔面にクリーンヒットしており相手選手はたまったものではない。

タイミングの良さと腕のしなりによる相乗効果で相手はダメージを受けてフラフラ。

今回の相手アレハンドロ・サンティアゴ(ちょっとルイス・ネリみたいな風貌)はあのノニト・ドネアに勝って世界チャンピオンになっており、戦績を見ると対戦相手も骨のある相手が多く、ダウンもしたことが無いと(放送で言ってた)のことでなかなかの難敵だったと思う。

しかし6Rの中谷が放った最初の左ストレートのダウンでもう勝負はついており、レフェリーはカウント10を取らなかったがサンティアゴの目はうつろだった。

そこからの中谷のラッシュは恐怖が感じられる凄さで、全てのパンチは顔面を捉え、結果サンティアゴはなぎ倒されてレフェリーストップ。

圧勝である。

長谷川穂積山中慎介井上尚弥が君臨してきたWBCバンタムを中谷潤人が継承。

これでバンタムは中谷と、WBAの井上拓真、IBFのエマニュエル・ロドリゲス、WBOのジェイソン・モロニーの顔ぶれ。

他にも那須川天心比嘉大吾、ロドリゲスへの挑戦が決まっている西田凌佑の日本勢など群雄割拠の時代に突入。

可能性として中谷対井上拓真の対戦実現も出てきたことになり目が離せない。

しかし今回の試合を見る限り中谷選手が4団体王者の中で一番強いのではないか。

少し打たれてしまうことがあり、そこは少々心配だが、現状攻撃力が十二分にディフェンス面のちょっとした穴をカバーして余りある。

井岡が100年にひとり、井上尚弥が200年にひとりとしたら、中谷選手は140年にひとりの選手なのかもしれない。

 

WBC世界バンタム級王者 中谷潤人 27戦27勝(20KO)

前王者 アレハンドロ・サンティアゴ 37戦28勝(14KO)4敗5分

 

 

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